歯科医師
●投資・資産運用を始めたきっかけ
子どもが生まれたこと(彼が将来困らないために)
●所有資産
不動産、株式、純金、変額保険など
●森田社長の最初の印象は?
息子からの紹介だったので心配はしていませんでしたが、実際に会ってみると想像以上に頼りがいのある、誠実な方でした。
森田:1992年の開業ということは、バブル崩壊直後の厳しい時期でしたね。開業を決断されたのはいつ頃だったのでしょうか?
藤縄:1990年に日本歯科大学を卒業して、1年半勤務医として働いた後、1992年4月に開業しました。確かにバブル崩壊直後で、今思えば相当厳しい時代でしたね。でも当時27歳の私には、そこまで深刻に考えている余裕がありませんでした。
森田:勤務医時代は、将来のお金のことは考えていらっしゃいましたか?
藤縄:全く考えていませんでした(笑)。独身でしたし、子どももいなかったので、何も考えずにお金を使っていたと思います。貯金も投資も、そんな概念すらありませんでした。今の若い先生方と比べると、お恥ずかしい限りです。
森田:開業資金はどのように調達されたのですか?
藤縄:土地を担保にして銀行から融資を受けました。ただ、当時は今と比べて金利がずっと高く、借金の返済が本当に大変でした。まずは借金返済が最優先で、それ以外のことを考える余裕はありませんでした。
森田:ではその頃は資産運用にも特に取り組まれてはいなかった?
藤縄:保険の利率も今より良かったので、貯金代わりに保険に入って退職後の資金を作ることくらいしか知識がありませんでした。本格的な資産形成なんて、まだまだ先の話だと思っていました。
森田:経営が軌道に乗ったのはいつ頃からですか?
藤縄:転機となったのは、インプラント治療を導入してからです。講習会に積極的に参加して、自費診療の割合を増やす努力をしました。その結果、保険診療と自費診療の比率が4対6くらいになって、売上が開業当初の倍以上になりました。そこでようやく経営に余裕が生まれて、お金のことを真剣に考え始めたんです。
森田:藤縄さんのケースは、まさに歯科医師の理想的な経営モデルですね。多くの歯科医師の方が保険診療だけでは収益に限界があることを実感されていますが、なかなか自費診療に踏み切れずにいらっしゃいます。
藤縄さんのように技術投資を惜しまず、患者さんに価値のある治療を提供することで、結果的に経営も安定し、資産形成に回せる資金も確保できる。これは開業医として非常に重要な成功パターンだと思います。
実際、私がサポートしている歯科医師の先生方も、自費診療比率が高い方ほど、余裕を持って長期的な資産運用に取り組めていらっしゃいます。
森田:結婚されてお子様が生まれると、お金に対する考え方は変わりましたか?
藤縄:はい、劇的に変わりました。それまでは自分一人のことしか考えていませんでしたが、子どもが生まれた瞬間から「自分に何かあっても、この子が困らないようにしなければ」という思いが強くなりました。これが私の資産形成の原点だったと思います。
森田:具体的にはどのような対策を取られたのですか?
藤縄:まずは生命保険ですね。自分が死んでも家族が困らないような額の保険に入りました。それから学資保険も契約して、子どもの教育資金の準備も始めました。とにかく「守りの運用」しか頭にありませんでした。
森田:その時期は、株式投資などは考えられなかったのでしょうか?
藤縄:全く考えませんでした。リスクを取るよりも、確実性を重視していました。「元本保証」「確実に増える」という言葉に安心感を覚えていたんです。
今ならインフレのリスクなどがすぐ頭をよぎりますが、当時はそれが精一杯でした。
森田:その「守りの時代」を振り返って、どう評価されていますか?
藤縄:今となっては、あの時期があったからこそ、安心して今の「攻めの運用」ができていると思います。まずはしっかりとした土台を作ることができました。
子どもが小さい頃の親にとっては、心も体も、お財布も、何より安定性が大切です。ですから、あの時の判断は間違っていなかったと今でも思います。
森田:保険中心の運用で、どの程度の資産を築くことができたのでしょうか?
藤縄:具体的な金額は控えさせていただきますが、子どもの教育費や万が一の備えとしては十分な額を確保できました。
何より、「家族を守る」という安心感を得られたことが大きかったですね。この心の余裕があったからこそ、後に攻めの運用に踏み切ることができたのだと思います。
森田:これはとても重要なポイントですね。多くの方が「保険は利回りが低いから損」と考えがちですが、藤縄さんのおっしゃる通り、まずは「安心の土台」を築くことが何より大切です。そのための選択肢として保険を選ぶのは、決して間違いではありません。特に医師・歯科医師の方は社会的責任も重く、万が一の時に家族に迷惑をかけるわけにはいきませんから。
私は「守りの資産」と「攻めの資産」は明確に分けて考えるべきだと思っています。守りがしっかりしているからこそ、余剰資金で積極的な運用ができる。藤縄さんは理想的な順序で資産形成を進められたと思います。逆に、土台がないまま株式投資などに手を出すと、値下がりした時に精神的に追い詰められて、結果的に損切りしてしまうケースが多いんです。
森田:私とお会いいただいたきっかけは、息子さんからのご紹介でしたね。
藤縄:はい。息子からの紹介だったので心配はしていませんでしたが、実際にお会いしてみると想像以上に頼りがいのある、誠実な方で安心しました。
それまで「資産運用は守るもの」と思い込んでいましたが、森田さんとお話しして「ライフステージによって資産運用のスタンスは変わるもの」だということに気づかされました。
森田:藤縄さんの場合、どのようなタイミングで「攻め」に転じる必要性を感じられたのでしょうか?
藤縄:子どもにお金がかからなくなって、時間的にもポートフォリオ的にも余裕が出てきた頃です。同時に、老後に入っても今の生活レベルを維持するためには、もっと積極的な資産形成が必要だということを実感しました。
ただ実際に行動に移したのは、森田さんにお会いしてからです。攻めの姿勢にはリスクがつきものですから、必要性を理解していても「せっかく積み上げた資産を失ったらどうしよう」と考えて、なかなか一歩を踏み出せなかったのです。
きっと今の森田さんとの関係がなかったら、いまだに守りの姿勢を崩していなかったのではないかと思います(笑)。
森田:そうおっしゃっていただけて光栄です。現在はどのような投資をされているのですか?
藤縄:NISAや投資信託を中心に、より積極的な資産形成を始めています。これまでの投資では、長期保有の株式投資、変額保険、純金積立などは成功例として実感しています。
一方で、デイトレードは完全に失敗でした。忙しい診療の合間にそんなことをしても、うまくいくはずがありませんからね。
森田:実は、医師・歯科医師の方でデイトレードに手を出して失敗される方は少なくありません。
医師という職業は、患者様の命に関わる瞬間的な判断力が求められる一方で、投資においては長期的な視点と冷静な判断が重要になります。特にデイトレードは、市場が開いている日中に常にチャートを見ていなければならず、診療に集中すべき医師の方には全く向いていません。
それに、短期の値動きに一喜一憂してしまうと、本来の仕事にも影響が出かねません。藤縄さんのように長期投資にシフトされたのは、とても賢明な判断だったと思いますよ。
ところで、将来設計についてはどのようにお考えですか?
藤縄:歯科医師は定年のない仕事なので、健康である限り続けていきたいと思っています。
当院の場合は跡継ぎがいないので、将来的に経営を引き継いでくれる人が現れたら、診療所を賃貸して家賃収入を得ることも考えています。
森田:相続対策についてはいかがですか?
藤縄:現在の資産は不動産がメインなので、相続税対策として子どもに非課税範囲で毎年少しずつ贈与をしています。森田さんに相談して、計画的に進めているところです。「攻め」の運用と同時に、こうした税務面での最適化も重要だということを教えていただきました。
森田:資産運用に対する考え方は、どのように変化しましたか?
藤縄:以前は「減らさないこと」が最優先でしたが、今は「適切なリスクを取って増やすこと」の重要性を理解できました。森田さんのような専門家がいてくれるからこそ、自信を持って運用方針を変えることができたのだと思います。
森田:ありがとうございます。
藤縄さんの変化は、多くの医師・歯科医師の方に参考にしていただきたいケースです。実は「適切なリスク」という考え方が一番重要で、これは年齢やライフステージ、そして築いた資産の状況によって変わるものなのです。
20代、30代で守るべき家族がいる時期は、確かに「減らさないこと」が最優先です。しかし50代、60代になって基盤ができた時に、同じ考え方を続けていては、インフレに負けてしまう可能性があります。藤縄さんのように段階的に考え方を変えていく柔軟性こそが、長期的な資産運用を成功させる秘訣と言えます。
そして何より、信頼関係があってこその資産運用だということを、改めて感じさせていただきました。息子さんからのご紹介でお会いできて、こうして長期的にサポートさせていただけることを、本当に嬉しく思っています。これからも藤縄さんの人生設計に寄り添って、最適な資産形成をお手伝いさせていただきたいと思います。
本日は忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
私はつい最近まで「資産運用は守るもの」と思い込んでいましたが、森田さんとお会いしてからは「ライフステージによって資産運用のスタンスは変わるもの」と思うようになりました。
守るべきもの(私の場合は子ども)があったり、まだ土台となる資産がない場合は「守り」中心でも良いですが、時間的にもポートフォリオ的にも余裕が出てきたら「攻め」の視点も必要です。森田社長のような方に出会えたことで、自信を持って運用方針を変えることができました。
「何かしないといけないのはわかっているけど、右も左も分からない」という方は一人で悩まず、まず「信頼できる専門家探し」から始めることをおすすめします。
「万人にフィットする資産運用方法」は存在しません。年齢や性別、家族構成、ライフステージ、あるいはその方が抱いている将来像によっても、「フィットする資産運用方法」は微妙に変わるものだからです。
藤縄さんは、ライフステージの変化に合わせて資産運用戦略を柔軟に変えていかれたモデルケースと言えます。がむしゃらに働いた勤務医・開業当時、万が一に備えて「守り」を固めた子育て時代。こうして資産の基盤を築かれてきたからこそ、今、老後の生活に向けてあえて「攻め」に転じることができるのです。
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